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読んだ本

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平 安寿子『神様のすること』読みました。
”物語を書くことにしか興味を持てなかった安寿子が40歳間近で願ったことを、神様は100パーセント聞いてくれた。願いがかなうまでの、長い長い物語”と紹介にあったから、ん?エッセイ?なら、うーーーむ、あんまり気が乗らないなあ、エッセイだけ書いてる人のエッセイは好きだけど(例:わたしの中では万起男ちゃんとか)小説家の書くエッセイってどうもいまひとつ、面白くないんだよなー、躊躇したんですが、紹介の最後の「物語」という言葉に押されて買ってみました。エッセイでなくてちゃんとした物語でした。

今回はひさびさにばりばりとアン・タイラーリスペクト強いお話でござんした。病床の高齢の母親を看ながら家族の物語をつづっていくって、「ここはホームシックレストラン」かな。
今回の話は家族というよりも血縁と親族の物語って感じ。面白かったです。人の記憶と印象の行き違いってのを強く出してるのもアン・タイラーチックで面白かった。

○賛同したとこ
わたしは血液型判断はあんまし信用してない派ではありますが

人をたった四種類の血液型で判別するのはおかしいと言う人もいるが、わたしは血液型判断をかなり信用している。人間には多様性なんてない。せいぜい四種類くらいのものだ。下手な小説はキャラクターが「類型的」だと批判されるが、生身の人間って、それぞれが思っているよりずっと類型的だと、わたしは思うのだ。

そうだよねー性格ってけっこう単純なものだと思いますです。ちょうど今回のこの物語の人の記憶と印象の違いってのが、ああ人間って複雑と感じさせてしまう一つの要因のような気がする。


○ちょっと違う意見なとこ
「よくなることのない年よりを診る医者に何かを期待されても困る」と言われ吐き気を催した

個人的にはそういう方針の病院があってもいいんじゃないかなーと。ここ数年の自分のいろいろと自分の老後を思うと、痛みや苦痛さえ取り除いてくれたら積極的治療をしないことを躊躇なく明言する病院ってかえってわたしはいいのじゃないかなあと思ったりしました。

でも平さんはそこで自分の怒りだけでなく一方ちゃんとした病院に移して回復したお母さんが”「すっと死なせてくれない」と文句を言った”という文を入れてくるとこがやっぱすごいなあと。

あら、なんか思ったより長い感想になってしまったので残りの本は簡単に。


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『深夜食堂』
まだ一巻しか読んでないです。
深夜に営業してる食堂に集まる客とマスターの人情話、みたいな。
こういう人情ものって団塊チックな価値観の人情ものなら、なんかヤだよなーと思いながら用心深く一巻しか買わなかったんですが、そんなことなくけっこうさらっとしてよかったので、続きも買ってみようと思いました。

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『武士の家計簿』加賀藩御算用者の幕末維新
お、わたしにしてはちょっと堅めの本ですが、とても読みやすく工夫されてる文でイイ。車の定期検査の待ち時間でさらっと読めました。
当時の貨幣を現在のレートに直してくれてる家計簿がとてもイイです。
ずっと謎だった、なんで「武士はくわねど高楊枝」なのかが、すっごくわかる本でございます。
またこの本の主人公一家が幕末から大正にかけて加賀藩の御算用者から海軍省勤務になるまでの激動も読み応え満点っす。

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とかいいながらこの↑漢字が最後まで読めなかったのは秘密・・・。とほほ。

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