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東京ライオット

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戸梶圭太『東京ライオット』読みました。
どんな話かというと。(Amazonより)

複合型超高級マンション・ソナーレを巡る構図。新入居者は貧乏地元住民など一顧だにしないスノッブなハイソ&セレブ。そのハイソを警護する貧乏アルバイト警備員。マンション専用バスの小心な運転手。破滅的家庭環境からギャング化する中学生。宅配ピザのアルバイトで糧を得るカメラマン志望の若者。誰にも邪魔されずひっそりと暮らすことだけが願いの近隣ホームレス。そのホームレスを喰いものにして保険料を掠めとる暴力団。スラム化する街をテーマにミュージッククリップを制作する教祖的ミュージシャンとデザイナー。彼らの私利私欲が恐るべき大暴動へと繋がってゆく…。

ってな感じなんですけど、すんげえ面白いよ。
図式としては
スノッブ高級マンション住民(セレブ)、彼等を守るそのマンションの警備員、バス運転手(冴えないけど一応中流階級に属する感じ?)対、地元住民(貧困)ってな感じ。
ふつうそういう感じになるともともと町に住んでた地元住民に感情移入して侵入者である鼻もちならないスノッブを惨めな目にあわせてやれ、と応援の気持ちが湧くものじゃないですか。
でも、オラゴラ系(会話のほとんどが威嚇のオラー、ゴラーで成りなってる)、アル中、パチンコ漬け、クスリ漬けの地元住民のあまりの笑える容赦ないアホさ加減がマックスの針を振り切ってて、
彼等に対して同情なんて言葉はるか1000億光年彼方に飛び去ってしまうとってもステキな小説なのです。

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