で、読んだ本
『ベルカ吼えないのか?』古川 日出男。
1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて−。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった! (bk1より)
で、世界中に散らばったこの犬たちの子孫が歴史に翻弄されて再びとある場所で邂逅する、と。
犬好きは必読ですわよ。ライカ犬の運命がどうにも辛くて観られなかった『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』もこれ読むとちょっと辛さが緩まって観られそうな気がする。
最初登場したときはナマイキでムカつくガキんちょだった誘拐されたヤクザの娘(11歳)がだんだん好きになってしまうという。とにかく面白いです。
「もっとわたしを」平安寿子。
ほら、なんつってもわたしはアン・タイラーの信者なので、どうも平安寿子本にはなかなか手が伸びなかったのですが、今回初めて読んでみました。
はあ〜。すみませんでした。もっと早く読むんだったです。
どんな鼻持ちならない人物もいろんな角度から光りを当てて魅力的な人にしてるのがすんばらしいですね。出す言葉やとる行動がその人の人となりの全てじゃないってことをなんつうかさりげなくでもとっても説得力を持って面白いストーリーに絡めて書いてるので読後がとってもよかったです。
さあ、これから全作品読んでみようっと。
「太陽の塔」森見 登美彦。
男汁あふれる冴えない四畳半下宿京大生の妄想青春小説みたいな。
なんつうか、全然時代も話も違うんだけど、梶井基次郎の『檸檬』を思い出したりなんかして。何年たっても変わらない京大生気質ってあるのかな。
『牛乳アンタッチャブル』戸梶圭太
はいはい、まだ読み続けてますよ戸梶圭太。ええいこうなったら今年中に全作品(たぶん40作くらい?)読んでしまおう。
というわけで、雪印牛乳の食中毒事件がモデルの雲印乳業が舞台の企業小説みたいな。もちろんあの「わたしだって寝てないんですよ」のセリフも出てくるでよー。
「闇の楽園」戸梶圭太
デビュー作だけあって(?)主人公にまだ善良さが残ってるのがなんか新鮮。
最後恋人が女王様キャラになるのかしらんと思ったけどやっぱそれはなかったです。