裁判長!ここは懲役4年でどうすか
北尾トロ、『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』読みました。
ワイドショーも小説もぶっとぶほどリアルで面白いのがナマの裁判だ。しかもタダで誰でも傍聴できる。殺人、DV、詐欺、強姦…。突っ込みどころ満載の弁明や、外見からは想像できない性癖、傍聴席の女子高生にハッスルする裁判官。「こいつ、絶対やってるよ!」と心の中で叫びつつ足繁く通った傑作裁判傍聴記。 (amazonより)
ってな感じで、本当にやってる裁判の傍聴レポです。実際の被害者もいる裁判を、深刻なタッチでなく「裁判ショー」を観てるチックにりポートしてるからフキンシン感がほんのーり漂ってたりもするんだけど、読んでるこっちもその表現の仕方が的確で可笑しくツボを押さえてるもんで笑っちゃってでも迫真に迫ってるから後ろめたいよなあとも思いつつもどんどんページめくってしまうという。
裁判傍聴のことをなんにも知らなかった、ええっとドラクエでいうと旅人の服とこん棒くらいしか持ってなかった筆者がどんどん傍聴のスキルをアップしていって青銅の鎧→うろこの鎧→鋼の鎧ってな感じで傍聴巧者になっていく様子も面白いです。
最初のころ傍聴した音羽幼女殺人事件の山田ミツコ被告の「わたしなんか死んでしまったほうがいい・・」という嗚咽交じりの反省雨あられ供述を聞いた筆者は被告のトーク力に感心するんだけど、二年半ほど傍聴をこなしていくうちにその印象が違ったものになっていく、みたいなところも読みどころ。
またもうすでに10年以上傍聴してる傍聴マニア先輩諸氏のアドバイスもとっても実践的でこれから裁判を見てみようと思う人にもとっても参考に。
裁判というのはだいたい逮捕の二ヶ月後に行なわれるので、傍聴マニアと呼ばれる人の手帳には新聞の切り抜きでいっぱいらしい。