私の嫌いな10の人びと
中島義道『私の嫌いな10の人びと』読みました。
「わが人生に悔いはないと思ってる人」
さっさと満足して死になさい
「わが人生に悔いはない」と思っている人々へ。ああ、そう思いたければそう思いなさい!そう、思って、さっさと死んでいくがいい!
って。
大学の教授をやってる方にこんなことをいうのもナンですが、文章上手いなあ。本を読みながら何度も笑ってしまいました。
嫌いな10のタイプの人をそれぞれ、映画や小説なんかを例に説明してるんですけど、それがあまりにも面白すぎて、引き合いに出されてる作品のほうにも興味が湧いて思わず読んだり見たくなってしまうという。
「背筋がぞくぞくするほどつまらなかった」という映画版の「東京タワー」は是非見てみたいと思いました。わたしも黒木瞳に胡桃を持たせたくなるかな。フランス語も聞いてみたい。
でもサービス精神は旺盛なんだけど、読者に媚びず、自分を庇護することもないので、耳障り心ざわりのいい言葉がなく、論旨が論旨なので好みの分かれる本かもしれないなーと思ったりしました。
もちろん全ての論旨に賛成する必要なんてなくて、そこからいろいろ考えていくための本だと思いました。